【むち打ち症をひも解く②】バレリュー症候群と低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)

   

今回は、むち打ち症の1つに分類される「バレリュー症候群」と「低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)」についてご紹介します。一般の方にとってはどちらも聞き慣れない症状ですが、後遺障害等級認定を受けるのであれば押さえておきたい症状です。特に低髄液圧症候群は、医学界での認知度もさほど高くないため、認定されるためには専門知識が必須と言えるでしょう。

バレリュー症候群とは?

バレリュー症候群とは、フランスの神経医であるバレーとルーによって報告されたことから、この名がつきました。症状としては、肩や首の痛み、耳鳴りや目眩など、様々な症状が見られます。

バレリュー症候群が発症する原因は、首の損傷から自律神経の中でも交感神経が直接・間接問わずに刺激を受けてしまうことが原因と考えられています。

主な治療方法としては、神経ブロック注射などによって、頸部周辺の交感神経を緩和させ、刺激が伝わらないようにします。しかし、バレリュー症候群の特徴として、治療が長期間に及んでもなかなか改善しないことが多く、また、その原因もはっきりしないことが多いため、保険会社から治療の打ち切りを要求されることが多々あります。さらには、後遺障害の等級認定も思うようにはいかず、単にストレスが要因なのでは? といった交通事故とは関係のない指摘をされることもあるため、より問題が複雑になってしまうことも多く見受けられるため注意が必要です。

低髄液圧症候群とは?

低髄液圧症候群とは、脳脊髄液減少症とも呼ばれ、まだまだ医学界でも不明な点が多い症状の1つとなっています。大まかな症状としては、肩や首の痛み、頭痛、耳鳴り、目眩、倦怠や不眠、ひどいと記憶障害を引き起こすこともあります。この他にも、想定されている症状は様々ありますが、すべての原因は、脳脊髄液が減少することによって引き起こされていると考えられています。

実践されている治療方法としては、ブラッドパッチと呼ばれる方法で、自家血を脊椎硬膜外腔に注射し、血液の凝固を利用して脳脊髄液の漏れを塞ぐことによって効果を期待する方法です。

しかし、それでも症状が改善される保証はなく、治療法も確立されていないことから、安静にベッドで横になっているしかないといった見解もあるほどです。さらには確定診断が難しく、ごくわずかな検査結果や症状から総合的な判断をしなければなりません。

このように不明瞭な点の多さも相まって、交通事故と症状との因果関係を結び付けることは容易ではありません。よって、医師の協力だけでなく、弁護士といった法律の専門家からも協力を受け、正当な損害金の支払いを受けられるように努力していく必要があります。

 - 後遺障害の種類