交通事故では原則として自由診療が利用される

   

保険を使わない診療のことを「自由診療」といいます。

日本では、多くの方が社会保険や労災保険に加入しているため、健康保険を利用して病院を利用するのが当たり前です。自由診療を利用するより、負担額が軽減されるメリットがあります。

診療報酬というのは、健康保険の場合、単価は10円と決められています。しかし、自由診療の場合は制限がなく、病院側が自由に決めることができます。とはいえ、際限なく高くするわけにもいかないため、現在は12~20円程度が相場です。

 治療内容に大きな変化はない

冒頭で触れたように、健康保険であれば自己負担が少なくなる可能性が十分にあります。

しかし、健康保険を利用する場合、治療内容などに一部規制が設けられているため、満足な治療を受けられない可能性があるのです。たとえば、医薬品で言えば薬事法上の承認許可を受けたものしか使えなかったりします。とはいえ、厳密にいえば交通事故の治療において重要な医薬品や治療に制限があるのは稀で、どちらを利用しても治療内容に大きな変化までは見られません。

ただ、病院側からすれば自由診療を利用してくれたほうが利益につながるという事情があります。

本来こうした考え方はあってはなりませんが、自由診療の患者であったほうが、病院側から親切丁寧な治療を受けられる可能性があるということです。

 交通事故は原則として自由診療

といっても、原則、治療内容に大きな変化はみられないため、事情に応じてどちらを利用するか検討します。といっても、交通事故の場合は、健康保険ではなく自由診療が利用されます。

ただし、自由診療にしたことにより、被害者に損が発生する場合は、あえて健康保険を利用する場合もあります。たとえば、交通事故において被害者側の過失が多い場合、過失割合によっては治療費の負担が増えてしまいます。そのほとんどは、自賠責保険から出されることになりますが、限度額を超えてしまえば、自己負担になってしまうのです。となれば、少しでも医療費を安くするために、健康保険を利用するといったケースも見受けられます。

 診療報酬の計算について

では、診療報酬はどのようにして計算されるのでしょうか?

計算式としては、「単価×点数」となっています。ここでいう単価とは、冒頭でも触れたように健康保険の場合は1点10円、自由診療の場合は、病院ごとに決められますが、12~20円、高くても25円程度となっています。たとえば、消炎鎮痛処置が37点だった場合、1点単価プラス技術加算などが加えられ、その合計額が診療報酬になるというわけです。

被害者側からすれば、治療費は保険会社が病院に支払ってくれるため、それほど気にすることはありませんが、加害者が自賠責保険しか加入しておらず資力が不安だったり、自身の過失割合が多かったりといった場合などは、健康保険を利用しても良いかもしれません。

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