交通事故の示談交渉が進展しない場合|「ADR機関」の利用も視野に

   

示談交渉がなかなか進展しない場合、裁判や調停という選択肢が出てきますが、近年では裁判所を利用しない「ADR機関」を利用するという方法もあります。

ADRとは、Alternative(代替的) Dispute(紛争) Resolution(解決)の頭文字を指していて、裁判外紛争解決という意味があります。つまり、裁判所を介さないで紛争を解決させるために、ADR機関が存在しています。今回は、このADR機関について詳しくご説明しましょう。

 ADRと裁判所との違い

ADR機関ではどのように紛争解決をサポートしているかというと、主に被害者と加害者の話し合いが軸になります。一見すると、裁判所の調停手続きと何が違うのかわかりませんが、それもそのはずです。ADRも裁判所も行うことはほとんど同じなのです。

では、なぜADRという手続きができたのでしょうか?

実は近年、民事裁判が増え続ける傾向があり、なかなか手続きが進まないといった問題がありました。裁判所はいつでも裁判手続きを受け付けていますが、対応する裁判官や書記官には限りがありますし、調停室や法廷の数にも限りがあります。こうした裁判手続きの遅延や、裁判所自体の負担を軽減させる意味で、ADRという手続きが世に出回ったというわけです。そしてこのADR機関は、探せばいくつも存在していて、公的な団体から民間組織まで様々となっています。

多くのADR機関にて交通事故における紛争解決も対応していますし、交通事故を専門に取り扱っているADR機関もあるので、中には調停よりもADRの利用が功を奏す場合もあるのです。

 ADRを利用するメリットはあるのか?

では、ADRを利用することにメリットはあるのでしょうか?紛争を解決するというのに裁判所を介入させない点に不安を感じる方も多いのではないでしょうか?

ADRを利用するメリットは、費用が安く済むケースが多いこと、調停や裁判よりも時間の指定に融通が利くこと、紛争解決までが裁判手続きに比べて早いこと、などが挙げられます。

ADRを利用する場合、まずは無料相談から受け付けてくれる機関がほとんどですし、ケースバイケースではありますが、相談だけで解決への糸口が見つかることもあります。

よって、裁判手続きを検討する前に、ADRを利用した解決を模索してみるのも良い選択肢の1つと言えるでしょう。なお、ADRに弁護士が介入するケースも存在するため、すでに弁護士への相談をしているという方にも、ADRを紛争解決に選択することは可能となっています。

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