裁判所も認める買い替え費|家屋や自動車の改造と介護用品ほか

   

交通事故によって後遺障害が残ってしまい、日常生活に支障をきたすとなれば、自動車や介護用品などが必要になることもあります。また、後遺障害が原因で家屋の改造や買い替えなどが必要となれば、当然、その金額も認められるべきと言えます。

今回は、後遺障害が残ってしまった場合の、買い替え費用について詳しくご説明していきます。

 裁判所も認める買い替え費

なお、冒頭のようなケースで買い替え費用などが発生した場合、損害賠償金として認められるケースは数多く存在し、過去に至っては裁判例としても示されています。

京都地裁で平成14年に示した判決なのですが、左ひざの疼痛(とうつう)によって、12級の後遺障害と認定された女性の方が、後遺障害のために自宅での歩行に困難をきたすようになり、そのために家屋の段差を解消したり、流し台を利用しやすいように改造したり、廊下やお手洗いなどに手すりを設置したとして、300万円を超える改造費用を支払うよう認めています。

その他、車椅子のためのエレベーター設置費用や、昇降リフト、車椅子でも利用しやすいように車を改造したり、大型車に買い替えたりといった場合も、実際に認められた裁判例があります。

 平均余命をベースに算出

上記の例は家屋の改造であるため、将来的に何度も買い替えが必要になる可能性は低いですが、介護用品などの場合は、買い替えが必要になるケースはいくらでもあります。

そういった場合は、平均余命をベースに何度の買い替えが必要になるかを算出し、損害賠償額の算定が行われることになっています。いかなるものには耐用年数があるため、一定期間を超えれば、買い替えなければならない事態も十分に想定されるため、算出を忘れてはなりません。

 家族の利便性も考慮が必要

なお、交通事故によって後遺障害が残ってしまい、自動車や介護用品を購入したり、家屋自体を改造したりしなければならない場合、家族の利便性も向上したと考慮され、実際にかかった費用よりも支払われる金額が少なく算出されるケースは実際にもあります。

一見、遭いたくて遭った交通事故ではないため、理不尽にも感じられるのですが、現実問題として、被害者のために自動車を購入したり、買い替えることになったりした場合、その自動車を利用するのは被害者だけではありません。家族も通常利用することを考えれば、その向上した利便性に関しては、差し引きされてしまっても仕方がないというわけです。

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