重度の後遺障害の場合|介護用品の購入費と公的扶助

      2017/10/26

今回は、交通事故の被害者になった場合の車椅子や介護ベッドなどの介護用品の購入費と公的扶助について詳しくご説明していきます。いずれも重度の後遺障害が残ってしまった場合は、必須になりますので、正しい知識を身に着け、請求できる部分は必ず請求しましょう。

 装具について

ここでいう装具とは、車椅子や義足、補聴器、義眼、いれ歯、コンタクトレンズ、介護ベッドや医療器具などを言い、これら装具の購入費用は必要相当額を相手に対して請求可能です。

なお、将来的に買い替えが必要になる場合、買い替え費用は原則として、中間利息を控除することになっています。通常、後遺障害逸失利益(後遺障害によって失った利益、つまり損害賠償金のこと)は、1年ごとの基礎収入を基準に算出され、年単位で支払われるのですが、通常、損害賠償金は一括で支払われるものであるため、被害者側は大きな金額を手にすることになります。

それを運用していくので、一時的には1年ごとに支払いを受ける以上に大きな利益を得られるのですが、そうなってしまうと損害賠償制度の根本にある、当事者間の公平に反することになります。そこで、一時金として支払われた場合、年払いの支払いと同様の利益になるように評価をし直さなければなりません。これを中間利息控除といいます。簡単にいえば、一括で支払われる損害賠償金から、資金運用によって得られる可能性のある利益を差し引いて支払われるということです。

 公的扶助について

交通事故が原因となって、社会保険や労災保険といった公的扶助の交付対象になった場合、当然、その扶助を受けること自体に問題はないのですが、損益相殺に注意しなければなりません。

損益相殺とは、交通事故が原因となって受けた公的扶助などによる利益(簡単に言えば手元に入った現金)と、加害者側が支払う損害金の中で、同一原因のものを相殺し、支払われるお金を調整することを言います。

では、具体的にどういった利益が損益相殺の対象になるかというと、以下のとおりです。

  • 人身傷害保険金(すでに受領している場合)
  • 自賠責損害賠償額(すでに受領している場合)
  • 自動車損害賠償補償事業填補金
  • 高額療養費還付金
  • 遺族基礎年金
  • 所得補償保険契約に基づいて支払われた保険金
  • 所得補償保険契約に基づく保険金の中でも地方公務員等共済組合法の遺族共済年金
  • 地方公務員災害補償法による療養費や葬儀費、遺族補償年金
  • 遺族厚生年金、障害厚生年金
  • 休業補償給付金、療養補償給付金、障害一時金、、障害補償年金前払一時金、障害補償年金・介護補償給付金、遺族補償年金、葬祭給付・遺族年金前払一時金
  • 労災保険法に基づく障害年金受給権に基づく将来年金 など
  • 次に損益相殺の対象外になるのは、以下のとおりです。
  • 生命保険金
  • 自損事故保険金
  • 会社からの見舞金及び傷害見舞金
  • 扶助費休業特別支給金、傷病特別年金、休業特別支給金
  • 香典・見舞金
  • リハビリの訓練手当金
  • 独立行政法人自動車事故対策機構法に基づき支給される介護費
  • 災害補償費(搭乗者傷害保険金財団法人中小企業災害補償共済福祉財団)
  • 労働者災害補償法による休業特別支給金、障害特別年金、障害特別年金差額一時金、遺族特別年金、遺族特別一時金、遺族特別支給金、就学等援護費、福祉施設給付金障害特別支給金等の特別支給金、障害特別支給金、地方公務員災害補償基金からの休業援護金
  • 特別児童福祉扶養手当
  • 介護費用の公的扶助
  • 心身障害者扶助用
  • 障害者自立支援法に基づく身体障害者補装具費
  • 在宅重度障害者手当
  • 市からの助成金、及び医療費助成金 など

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