鼻の欠損を前提としない機能障害(嗅覚脱失・嗅覚減退・鼻呼吸困難など)

   

鼻の後遺障害としては、鼻の欠損を前提とした機能障害についてのみ等級認定がされています。

とはいえ、欠損していなければ等級認定されないわけではありません。等級認定の定めがない、鼻の欠損を前提としない機能障害(嗅覚脱失・嗅覚減退・鼻呼吸困難など)については、その障害の程度ごとに他の等級認定と比較しながら、準用によって等級認定がなされています。

大きな鼻の欠損がある場合

9級5号 鼻を欠損し、鼻の機能に著しい障害を残している状態

ここでいう鼻の欠損とは、鼻軟骨部の全部または大部分の欠損を指しています。小さな欠損だけでは等級認定されない可能性があるのです。しかし、鼻の機能に著しい障害を残している場合は、等級認定されることになっています。たとえば、冒頭で触れた嗅覚脱失や鼻呼吸困難などです。

鼻の欠損が大きいとは言えない場合

なお、鼻の欠損が大きいとは言えない場合であっても、「外貌醜状」として等級認定が認められる場合があります。ただし、鼻の障害と外貌醜状それぞれを併合するのではなく、どちらかの等級認定で、より高い方が優先されることになっています。

なお、鼻の欠損を外貌醜状とし、かつ、鼻以外の顔面にも傷が見られる場合、鼻の欠損と顔面の傷を併せ、その程度によって「単なる醜状」、「相当の醜状」、「著しい醜状」かの判断がされます。

鼻の欠損がない場合

鼻の欠損がない場合は、冒頭で触れたように等級認定の対象となっていません。ただし、その程度に応じて別の等級認定基準が準用されることになっています。たとえば、鼻呼吸困難であれば12級相当、嗅覚脱失であれば12級相当、嗅覚の減退であれば14級相当とされています。

なお、嗅覚の検査については、T&Tオルファクトメーターと呼ばれる検査機を用いて数回行い、その平均値によって区別されることになっています。また、嗅覚脱失の場合は、アリナミン静脈注射による検査所見のみの確認でも問題ないとされています。

いずれにせよ、専門知識を要するため、専門医の指示に従うようにしてください。

嗅覚障害は請求が難しい

上記の、嗅覚脱失や嗅覚減退というのは、障害自体が労働に影響を及ぼすことは少ないと考えられているため、後遺症逸失利益(後遺症が生じたために失った利益のこと)ないと判断されてしまうこともあります。こういった場合は、弁護士といった法律の専門家に相談し、正しい等級認定がされるように相談していくことをおすすめします。

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