交通事故との因果関係に要注意な「TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)」

      2017/10/27

TFCC損傷とは、手首のくるぶし側にある組織である「三角繊維軟骨複合体」を損傷し、手首に痛みが生じる症状のことを言います。交通事故に遭い転倒した際、手首を激しくぶつけた、バイクなどの運転中に転倒し、地面に手をつき手首を痛めた、といった場合に生じやすい症状です。

しかし、三角繊維軟骨複合体は、レントゲン写真には映らないことから、診察では見落とされがちです。交通事故後、なかなか痛みが消えない・・・といった場合は、TFCC損傷の可能性を踏まえながら、必ず専門医の診察を受けるようにしましょう。

TFCC損傷の後遺障害等級認定について

TFCC損傷は手首の痛みが主体となることから、神経系統の機能障害による等級認定の基準をもとに判断します。ただし、重症になると手関節の稼働域にまで影響が出ることもあり、こういった場合は、関節機能障害が等級認定の基準となります。

とはいえ、冒頭でも触れたように、TFCC損傷は見落とされがちです。特に交通事故直後に手首の痛みを訴えたとしても、異常はないと判断されてしまうことが多く、相当期間の経過を待ってから今度はレントゲンではなくMRIを用いて撮影し、初めて異常に気付くことが多いのです。

交通事故との因果関係に要注意

上記のように、TFCC損傷は相当期間経過後に気付くケースが多く見受けられます。しかし、これが原因となって、交通事故との因果関係がないと否認されてしまうことが度々あるのです。

交通事故が原因ではなく、その後に転んだのではないかと疑われてしまう可能性は否定できません。そこで、これを防ぐためにも、交通事故直後から痛みがあったと主治医によく伝え、しっかりとカルテに記録してもらうことが重要です。もちろん、専門医によるMRI検査や関節造影検査を受け、TFCC損傷自体が生じていることを客観的にわかるようにすることも忘れてはいけません。

素因減額にも注意しましょう

TFCC損傷は、交通事故以外にも手首をよく使う職業(スポーツ選手や美容師など)である場合、素因減額にも注意しなければなりません。素因とは、TFCC損傷の発症には被害者の素因、わかりやすく言えば、上記の職業による他にも、生活環境による場合や、生まれもっての体質(骨が弱い、加齢によって弱っていたなど)を言います。この素因によって、TFCC損傷が発症したのでは?と主張され、賠償金が減額されてしまうこともあるのです。これを「素因減額」と言います。

もし、このような主張をされた場合、過去には素因減額を認めた裁判例もあることから、負けてしまう危険性が十分にあります。こういった場合は、弁護士といった法律のプロに相談をし、負けてしまわないようにしっかりと反論していく必要があるのです。

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